インビザラインで使う「アライナー」についてをわかりやすくご紹介




インビザラインを検討している人にとっては、治療で使う様々なアイテムの名前がわからないという人も多いですよね。

例えば、「アライナー」や「アタッチメント」、「チューイー」、「リテーナー」など様々な専門用語が出てきます。

ただ、その中でもインビザラインに欠かせないアイテムとしてあげられるのが「アライナー」です。

そこで今回は、アライナーとは何かというところから、アライナーにまつわる様々な情報をご紹介していきます。

インビザライン治療において、アライナーの知識をつけておくことは大事なことですので、これから治療を始めるという方はぜひこの記事を参考にしてください。

1.インビザラインで使用する「アライナー」とは?

「アライナー」とはインビザライン矯正で使用する薄い透明なマウスピースの事を言います。

アライナー画像

引用元:横川矯正歯科

インビザラインでは基本的に1つのアライナーを2週間程度装着し、2週間経過したら新しいアライナーに交換し、矯正を進めていきます。

最初の診察の際に、口腔内のデータをコンピュータに送り、3Dシミュレーションを作成するのですが、そのシミュレーションをもとにアライナーが作成されていきます。

3Dシミュレーションを基にアライナーを作成

その為、インビザラインは事前に治療の進行具合を知ることができます。

そして、大きなメリットとして、従来からあるワイヤー矯正と違い、簡単に取り外す事ができますので、食事や歯磨きの際にストレスを感じることがなく、またお祝い事などのイベント時には外しておくことで写真写りなどを気にする必要もありません。

そんなインビザラインで使用するアライナーについてをご紹介していきます。

2.アライナーの使用枚数について

アライナーの使用枚数は平均で7枚~80枚程度になります。

この振れ幅が大きい理由として、個々の症状によって変わってくるからです。

インビザラインはほとんどの症例を治療することができますが、人によっては抜歯を行いしっかりとスペースを作ってから大きく歯を移動したり、逆に少し整えてあげるだけで治療が終わるような症例だったりと、様々です。

しかし、アライナーは1枚で0.25mmしか歯を動かすことができませんので、歯の移動距離が大きい人ほど、アライナーの枚数は増えていきます。

歯の移動距離によってアライナーの枚数は変わる

治療の最初の段階で確認できる3Dシミュレーションによってどのくらいの枚数のアライナーを使って治療を行うのかを確認することができます。

しかし、あくまでシミュレーションですので、歯が予測と違い動かなかったり、逆におかしな方向に動いたりすることもありますし、患者さん本人がアライナーの装着時間を守らなかった場合に、アライナーが追加され、治療が延長されることがあります。

アライナーが追加になる原因

アライナーの枚数や追加については下記記事で詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。
「インビザライン治療で使用するアライナーの数の秘密をご紹介!」
「治療の延長はよくある?インビザラインの追加アライナーについて」

3.アライナーの着脱について

アライナーの装着と外し方についてご紹介していきます。

アライナーの装着について

アライナーの装着については下記のように行っていきます。

アライナーの装着方法

アライナーは症例によっては非常に多くの枚数を使用していきますが、1枚のアライナーを装着している2週間の間に何度も着脱を繰り返していきます。

その為、次第に慣れていくとは思いますが、最初のうちは装着がしにくい場合があります。

実は新しいアライナーに交換するたびに装着しにくいと感じる人も意外と多い為、そのような場合はアライナーチューイーを使用するのも良いでしょう。

アライナーチューイーについて

アライナーチューイーとは、アライナーの装着を補助する道具で、チューイーを咬むことで、アライナーを確実にフィットさせてくれます。

アライナーチューイー画像

引用元:銀座クリアデンタル

基本的な使い方としては、毎食後のアライナー装着時や、就寝前にチューイーをすべての歯で3回程度の噛みこみを3セット、大体20分~30分程度行い、アライナーをフィットさせていきます。

特に、アライナーがはまりにくいなと感じたときは、うまくはまっていない箇所を中心に使うと効果的です。

使い方としては噛むだけですので、テレビを見ながら、本を読みながらなどリラックスできる時間に行うと良いかもしれません。

アライナーの外し方

アライナーを外す時は下記のように行います。

アライナーの外し方

アライナーを外す行為自体は何度も行っていくと思いますが、全て左右の同じ側から外してしまうと、アライナーが破損してしまう原因になってしまう可能性があります。

その為、今日は右側から外す、明日は左側から外すなど、左右が均等になるように外し方を工夫した方が良いでしょう。

また、アタッチメントの有無によっては外しにくい場合がありますので、着脱の仕方を事前に歯科医師や歯科衛生士さんに教えてもらうとよりわかりやすいのではないでしょうか。

以上がアライナーの着脱に関してになります。

4.アライナー装着時の飲食について

インビザラインでの矯正中は、原則として飲食の際はアライナーを一度外し、飲食が終わったら装着するようにしましょう。

理由としては下記のようなことがあります。

  • アライナーが破損してしまう
  • 虫歯リスクが上がってしまう
  • アライナーが汚れてしまう

飲食によるアライナーの破損

インビザラインのアライナーは歯を動かすための道具ですが、飲食の際に着脱することを前提に作られていますので、アライナーを装着したまま飲食をすると物を咀嚼する力に耐えきれず、アライナー自体が破損してしまう可能性があります。

飲食によるアライナーの変形

破損したアライナーを使用し続けると、事前に歯科医師が立てた治療計画通りに歯が動かず、最悪の場合、治療計画に遅れが出てしまう可能性があります。

アライナーが破損や変形した場合の対処法はこちらで紹介していますので、参考にしてみてください。
「インビザラインが変形する原因と対策、予防するにはどうする?」

虫歯リスクの上昇

アライナーを装着したまま飲食を行うと、歯とアライナーの間に食べかすが溜まり、虫歯になるリスクが上昇します。

そもそも、唾液には自浄・洗浄効果がありますが、アライナーを装着している状態だと、唾液の自浄・洗浄効果がうまく働かず、虫歯リスクが通常と比べて高い傾向にあります。

インビザラインによる虫歯リスクの上昇

その中でアライナーを装着したまま飲食をし、食べかすがアライナーと歯の間に溜まったまま長時間放置してしまうと、雑菌の温床となってしまい、虫歯になってしまいます。

アライナーが汚れてしまう

アライナーを装着したまま飲食を行うと、食べ物や飲み物に含まれる着色成分が付着し、アライナーが汚れてしまいます。

インビザラインの大きなメリットとして、アライナーが透明で薄いため非常に目立ちにくく、他人に気づかれにくいという点があげられます。

しかし、アライナーを装着したまま飲食を行い、アライナーに着色してしまうと、逆に目立ちやすくなってしまうため、インビザラインの大きなメリットがなくなってしまいます。

アライナーを装着したままの飲食で着色する

以上のような理由があるため、インビザライン治療中の飲食はきちんとアライナーを外してから行い、飲食が終わった時に再び装着を行いましょう。

インビザライン中の飲食に関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。
「インビザラインを装着したままの食事はNG!その理由とリスク」
「インビザライン中の飲み物はどうする?飲んでも良い物と悪い物」

5.アライナーの洗浄について

アライナーは定期的に洗浄する必要があり、その理由としては以下のようなものになります。

  • 虫歯を防ぐため
  • 唾液の付着を防ぐため
  • 着色汚れを防ぐため

アライナーは2週間ごとに新しいものに交換しますが、2週間も洗浄せずに装着していると、雑菌が溜まってしまったり、唾液が付着したりと、口内の病気や口臭の原因になります。

また、アライナー自体が汚れてしまえば、目立ってしまう可能性もあります。

アライナーを洗浄しないと起こること

その為、定期的に洗浄を行う必要があります。

アライナーを洗浄する方法としては下記のような手順で行います。

アライナーの洗浄方法

注意点として、お湯を使って洗うと、アライナーが変形してしまう可能性がありますので、水で洗浄を行ってください。

アライナーはポリウレタンという素材で作られていますが、熱に弱く、温度によっては変形してしまう事があります。

また、歯ブラシで磨く際は必ずやわらかめの歯ブラシで磨いてください。

固めの歯ブラシを使ってしまうと、アライナーそのものを傷つけてしまう可能性があり、最悪の場合、歯がうまく移動しない要因になってしまう可能性があります。

アライナーを洗浄するときの注意点

洗浄の際には、マウスピース専用の洗浄剤を使用するのも有効です。

アライナーの洗浄については下記記事で詳しくご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
「インビザラインのアライナー洗浄の正しい方法と洗う理由とは」

6.もしもアライナーを紛失してしまったら…

アライナーを紛失してしまった場合、次のようにしましょう。

  • 歯科医師に連絡をする
  • 一つ前のアライナーを使用する、もしくは次のアライナーを使用する

詳しくご紹介していきます。

歯科医師に連絡する

紛失したと気づいたらすぐに歯科医師に連絡をしましょう。

治療計画を立て、経過をしっかりと観察してるのは歯科医師ですので、現在のアライナーをなくしてしまった場合、どのような行動を取るべきなのかを指示してくれます。

抜歯する直前や、歯を削るIPRを行う直前など、もしかすると大事な期間かもしれないので、歯科医師の指示に従い行動しましょう。

ただし、歯科医院が休診日で連絡が取れないという場合もある為、その場合は一つ前のアライナーを使用する、もしくは次のアライナーを使用し、歯科医師と連絡とれる時間になったらすぐに連絡してください。

一つ前のアライナーを使用する、もしくは次のアライナーを使用する

今装着しているアライナーを紛失してしまった場合、一つ前のアライナーを使用するか、次のアライナーを臨時で装着しましょう。

アライナーは基本的に2週間ごとの交換となっていますので、紛失した場合は下記のようにしましょう。

アライナーを紛失した場合

外食の時にアライナーを外してそのまま忘れていってしまう、というようなケースは意外と多く、その際にアライナーを何も装着せずに長時間過ごしてしまうと、歯が予期せぬ方向に動くなどで、最悪の場合、治療計画の立て直しが必要になってしまいます。

その為、紛失したと気づいたらすぐに別のアライナーを装着し、歯が予期せぬ方向に移動するのを阻止する必要があります。

ですので、できれば一つ前のアライナーは捨てずに保管しておいたほうが良いでしょう。

インビザラインは多くの人が利用している、素晴らしい治療法ですが、その中でもアライナーを紛失してしまったというケースは決して少なくないため、この対処法は覚えておいて損はありません。

7.まとめ

今回ご紹介した内容をまとめると下記のようになります。

  • アライナーとはインビザラインで使うマウスピースの事である
  • 飲食の際はきちんと着脱を行い、うまくはまらないと感じる時があればアライナーチューイーを使う
  • こまめに洗浄を行い清潔なまま使用し、もしも紛失したらすぐに歯科医師に連絡する

アライナーの枚数は症例によって個人差があるとはいえ、インビザラインでは必ずアライナーを使用します。

そして、今回この記事でご紹介したことは、どんな症例であろうと共通して知っておくべき情報です。

ですので、これからインビザラインを始めるという人だけではなく、今現在インビザラインで矯正をしているよ!という人も、問題なく矯正を進めるためにこの記事を参考にしてみてください。