インビザラインの交換は1週間でも大丈夫!交換日数が決まる要因とは




インビザラインの交換の周期はどれくらいが正しいのか知っていますか?

インビザラインは定期的にマウスピースを交換し治療を進めていく矯正方法です。

マウスピースの交換周期は、数年前までは2週間ごとの周期だとされていましたが、近年、インビザラインの交換周期が1週間という人も増えてきています。

そこにはどんな変化があるのでしょうか?

そこで今回は、インビザラインが1週間周期での交換でも良いのか、というところから、交換日数が決まる3つのポイントなどをご紹介していきます。

これからインビザラインを始める人も、今現在インビザラインを始めている人も、ぜひこの記事を参考に交換周期についての知識を深め、役立ててください。

1.インビザラインは1週間で交換できる?

結論から言うと、インビザラインを1週間ごとに交換しても、矯正を問題なく行うことができます。

そもそも、インビザラインの公式サイトでも「インビザラインは1~2週間ごとのに新しいアライナーに交換します。」という文言が記載されています。

インビザライン公式サイトの文言

出展元:インビザライン

しかし、“1~2週間ごとの交換”という文言にある通り、人によっては1週間で交換できる人もいれば、2週間しっかりと装着しないと新しいアライナーに交換できないという人もいます。

人によってアライナーの交換周期が違う

実際にその症例や歯科医師の判断に基づいて交換日数が決まる為、「あの人が1週間で交換していたから、私も1週間で交換する」ということができません。

その為、1週間で新しいアライナーに交換し、矯正を進めることは可能ではありますが、実際は歯科医師の判断に従う必要があります。

2.インビザラインの交換日数が決まる3つのポイント

インビザラインの交換日数を決定する3つのポイントとして、以下のようなものがあげられます。

  • 年齢
  • 症例難易度
  • 装着時間

それでは一つずつご紹介していきます。

年齢

交換日数は年齢によって左右される傾向があります。

年齢を重ねるにつれ、代謝が悪くなっていくのは有名な話ではありますが、それは歯や歯茎なども同じです。

その為、若い人であれば問題ないのですが、年齢を重ねた人の歯周組織に強い力をかけることは推奨されず、必然的に治療期間が長くなっていきます。

若い人は1週間、年齢を重ねている人は2週間

例えば、中学生がインビザラインを行うようなケースであれば、歯根が完成していない分、歯が生える力を利用して矯正を進めることができるため、アライナーの交換日数を早めることができます。

しかし、年齢を重ねている人のインビザライン矯正の場合、新しい歯は生えてこず、代謝量も低下している事から、慎重に矯正を行う必要があります。

その為、どうしてもマウスピース1枚にかける交換日数が増えてしまうのです。

症例難易度

交換日数は症例難易度によっても左右されます。

例えば、歯根の移動が少ない傾斜移動などを用いた、簡単な症例であれば、歯の移動に関しても時間がかからないため、アライナーの交換日数も少ない日数で大丈夫です。

しかし、矯正前に事前に3Dシミュレーションでわかる歯の移動に関しては、歯根部分の動きは再現されていないため、歯根を踏まえた上でどのような動きになるのかは医師の技術や知識、経験によって判断されます。

その為、3Dシミュレーションでは簡単そうに見えても、実際に歯根の移動量が大きいような場合は必然的に交換日数が長くなる傾向にあります。

医師が歯根を踏まえて交換日数を決める

元々は、インビザラインのようなマウスピース矯正は基本的には傾斜移動が主体となっていたため、治療できる症例も限られていました。

しかし、技術の進化によって様々な歯の移動方法が可能になった分、今までよりも難しい症例の治療が可能になりました。

ただし、傾斜移動以外の歯の移動方法は慎重に行う必要があるため、アライナーの交換日数を早めて治療を行うことができません。

装着時間

患者さんの生活スタイルを聞いた上で、インビザラインの交換日数を短くする歯科医師もいますが、装着時間が少ないと思われる人は交換日数を短くすることができない場合があります。

歯科医院によっては、インビザライン治療開始直後は2週間ごとの交換で装着してもらい、後日、装着時間や様子を患者さんから聞いて交換日数を短くするというケースもあります。

その際、1日の平均使用時間などが推奨されている装着時間よりも短かったり、旅行やイベントなどで装着できない、装着時間が短いなどが続いてしまった場合は、交換日数が短くならない場合があります。

装着時間を守った人と守らなかった人の違い

また、インビザラインでは矯正治療の進行具合によって、アライナーが追加(リファインメント)されることがあるのですが、しっかり装着しているという人の中には、追加分から交換日数を1週間にしようと言われる人もいます。

その為、結果はどうあれ治療期間を少しでも短くしたいのであれば、アライナーはしっかりと装着しておく方が良いでしょう。

追加のアライナーに関してはこちらの記事でもご紹介していますので、参考にしてみてください。
「インビザラインのリファインメントとは?概要や費用、口コミを紹介」

以上の3つが、インビザラインの交換日数を左右するポイントになります。

3.自己判断で日数を変えてはいけない

他の人が1週間周期で交換しているからと言って、自己判断でアライナーの交換日数を変更するのはやめましょう。

自己判断でアライナーの交換日数を変更すると下記のような影響があります。

自己判断でアライナーの日数を変えると起こること

アライナーはステージごとに着々と理想の歯並びに近づけるように設計されており、そのどれもが違う形をしているため、自己判断でアライナーを交換してしまうと、痛みが発生し歯や歯茎に思わぬ損傷を与えてしまう可能性があります。

また、歯科医師が最初に立案した治療計画の中には、歯を削る治療(IPR)などが含まれている可能性があり、IPRは歯並びがある程度揃わなければできないこともあります。

その為、自己判断で次のアライナーに行き、歯が予定外の動き方をした場合、治療計画の立て直しやIPRのタイミングを変更する可能性が出てきます。

アライナーを装着していく中で、「緩い状態が続いているな」など、ちょっとした違和感がある場合等は、一度歯科医師と相談し、交換日数を早められるかどうかを一緒に検討してから、可能であれば交換日数を短くしましょう。

ちなみに、IPRに関してはこちらの記事でご紹介していますので参考にしてみてください。
「インビザラインでは歯を削ることがある!歯を削るIPRとは?」

4.まとめ

今回この記事でご紹介したことをまとめると下記のようになります。

  • インビザラインが1週間周期の交換でも問題はない
  • 交換日数を決める要素としては年齢、症例難易度、装着時間の3つがある
  • 自己判断でアライナーの日数を早めてはいけない

インビザラインの交換日数が1週間になれば、その分だけ治療は早く進むため、治療期間も短くなります。

しかし、短くなるからと言って、中途半端に治療を終えるのを良しとする人はいないと思います。

その為、治療期間は短いに越したことはありませんが、それよりもまず理想の歯列に近づけるように、治療に専念することが重要です。

きちんと装着していれば交換日数が1週間に変更になることもありますので、最初はあまり期待せず、歯科医師の指示通りにインビザラインを進めるのが良いでしょう。