インビザラインを装着したままの食事はNG!その理由とリスク




美味しいものを食べるとき、幸せを感じますよね?

「食べる」という行為は誰もが行う事であり、そこに重きを置いているという人も少なくないと思います。

そんな食べるという行為に対して、インビザラインは装置を取り外し気兼ねなく食事を楽しめるという大きなメリットがあります。

しかし、食事の度にインビザラインを毎回取り外すのって面倒ですよね…?

そこで今回は、インビザラインを装着したまま食事をするとどんな事が起こるのかという部分を中心に、インビザラインと食事についての知識を紹介していきます。

取り外しが面倒だからとインビザラインを装着したまま食事をしているという人は、一度読んでおいた方が良い内容ですよ…!

1.インビザラインを装着したまま食事をすると起こる事

インビザラインを装着したまま食事をすると下記のようなリスクがあります。

  • マウスピースが変形・破損する
  • 虫歯になるリスクが高まる
  • マウスピースが着色し、目立つ

それでは一つずつご紹介していきます。

マウスピースが変形・破損する

インビザラインを装着したまま食事をするとマウスピースの形が変わってしまう、もしくは壊れてしまう可能性があります。

食事をする時、歯の噛み合わせ面には強い力が加わるのですが、この力によってインビザラインが変形してしまうのです。

そもそもマウスピースを着用した際に、歯に完全に密着しているわけではなく、ほんのわずかではありますが、空間があります。

しかし、空間がある部分に対し、食べ物を噛むときの力がかかるとマウスピースが変形してしまう可能性があります。

飲食によるアライナーの変形

インビザラインはある程度の強度はありますが、装着して何かを噛むという状況を想定して作られてはいないので、噛み合わせの力に耐えられずに形が変わったり、壊れてしまう事があります。

変形・破損したマウスピースで矯正を続けても、歯が思い通りに動かない事もあり、最悪の場合、治療計画に遅れが出てしまう事があります。

インビザラインの変形に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
「インビザラインが変形する原因と対策、予防するにはどうする?」

虫歯になるリスクが高まる

インビザラインを装着したまま食事をすると、歯とマウスピースの間に食べかすが溜まり、虫歯になるリスクが高くなります。

マウスピースを装着したままだと、細かい食べかす等が歯とマウスピースの間に侵入し、細菌の繁殖に繋がります。

また、唾液には殺菌効果があり、通常であれば唾液によって細菌の働きを弱めてくれるのですが、インビザラインを装着していると唾液がしっかりと行き渡らないため、それも虫歯リスクを高める一つの要因となっています。

虫歯リスクが高まる2つの理由

インビザラインは簡単に着脱できるため、もし仮に虫歯ができても、矯正治療と並行して虫歯治療を行う事ができます。

しかし、虫歯治療で歯に被せ物をする場合、元々作成していたアライナーが入らなくなってしまうという事もあります。

マウスピースが着色し、目立つ

インビザラインを装着したまま食事をすると、食べ物によっては着色してしまい、マウスピースが目立ってしまうという事があります。

着色しやすい食べ物としては、カレーやブルーベリーなどがあり、その色がマウスピースについてしまうので、そのまま歯に装着していると、せっかくの目立たない矯正の意味がなくなってしまいます。

着色を放置し、インビザラインを装着したままの食事を何度も繰り返すと、着色はひどくなっていき、マウスピースを洗浄しても汚れが落ちなくなってしまい、逆に目立つことになります。

つまりインビザラインの大きなメリットの一つを失くしてしまいます。

~新しいマウスピースに交換する直前であれば良い?~

一部の歯科医師の中では、新しいマウスピースに交換する直前であればインビザラインを装着して食事をしても問題ないという意見もあります。

確かに、着色だけの観点で見るのであれば、交換時期の近いマウスピースであればすぐに変えるので問題ないでしょう。

しかし、マウスピースの変形・破損や虫歯のリスクを考えると例え期間は僅かと言えども、インビザラインを着用したままの食事はおすすめはできません。

以上がインビザラインを装着したまま食事をする場合に考えられるリスクになります。

2.インビザライン治療中の食事の際に絶対に行う事

リスクから考えると、食事の際に絶対に行っておくべき行動には下記の2つがあります。

  • 食事の際はマウスピースを必ず外す
  • 食後は必ず歯磨きをする

それではこちらも一つずつご紹介していきます。

食事の際はマウスピースを必ず外す

食事を行う際は必ずマウスピースを外しましょう。

1章でご紹介したようなリスクがあるため、インビザラインは原則として食事の際は装置を着用しないというルールがあります。

その為、マウスピースを必ず外すという事を守るだけで、3つのリスクを回避することができます。

食後は必ず歯磨きをする

食事が終わった際は必ず歯磨きを行い、清潔にしてからインビザラインを装着しましょう。

食後は唾液の分泌が活発にはなりますが、歯と歯の間に食べかすが詰まっていたりすることも多く、そのままインビザラインを装着すると、虫歯のリスクが高くなります。

その為、「インビザラインを外す」⇒「歯を磨く」⇒「インビザラインを装着する」という一連の流れを習慣にするくらい徹底することで、虫歯リスクを減らし、清潔な口内環境で治療を続けていくことができます。

食後は必ず歯を磨く

仕事や学校などでは難しい場合もあるかもしれませんが、自宅で歯を磨く際はデンタルフロスや歯間ブラシなどを使い、歯と歯の間に挟まった歯垢もしっかり除去し、マウスウォッシュなども併用することで口臭を抑える事も可能です。

歯磨き後はデンタルフロスとマウスウォッシュを

この一連の流れは朝昼夜の3食の後だけではなく、間食の後も行うのが理想的です。

ちなみに、インビザライン治療中の歯磨きに関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「インビザライン中の歯磨きは入念に行う必要がある!その理由とは?」

ただ、、インビザラインをいちいち外して間食して歯を磨いて…という行動をするのが面倒で間食が減り痩せたという人もいるようです。

そんなインビザラインで痩せるという事実についてはこちらの記事でご紹介していますので、興味があれば見てみてください。
「インビザライン治療で痩せる?そう言われる理由と口コミをご紹介!」

しかし、毎回の取り外しは面倒という人は非常に多いですので、これから歯列矯正を行う人のために、毎回取り外さなくても良い歯列矯正をご紹介します。

3.毎回取り外さなくても良い矯正装置

インビザラインと違い、毎回取り外しを行わない矯正装置として、ワイヤー矯正があります。

食事の面で言えば下記のようなメリットとデメリットがあります。

食事について インビザライン ワイヤー
メリット ストレスなく食事を楽しめる 取り外しを行わないのでそのまま食べられる
デメリット 食事の際は毎回取り外しを行う ワイヤーに食べ物が絡み、食べにくかったり、矯正装置が外れたりする事がある

ワイヤー矯正は、装置を装着したらずっとつけっぱなしで生活していくことになり、インビザラインのように自由に取り外しはできませんが、装着時間を気にすることもなく、そのまま食事をすることができます。

しかし、食べ物がワイヤーに絡まったり、例えば歯ごたえのあるものを食べたときに矯正装置が外れてしまうこともあり、インビザラインに比べると食事の際は違うストレスがあるかもしれません。

ワイヤー装置の食事について

「毎回取り外すが食事を快適に楽しめる」矯正か、「食事の際にストレスになる可能性はあるが取り外ししなくて済む」矯正、自分にとってどっちが優先度が高いかで決める方がいいと思います。

もちろん、インビザラインやワイヤー矯正にはこれ以外にもメリットやデメリットがあるので、それを加味する必要もあります。

インビザラインとワイヤー矯正の2つを比較した記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
「インビザラインとワイヤーを比較!初心者でもわかる2つの違い」

4.食事によってアタッチメントが外れることがある

これはインビザライン治療においてアタッチメントを装着している人に限った話になりますが、食事によってアタッチメントが外れることがあります。

そもそもアタッチメントとは、インビザラインによる歯の移動をサポートする装置で、主に下記のような効果があります。

アタッチメントの役割

アタッチメントはインビザライン治療において重要な役割を担っていますが、歯に直接接着するため、食事の際に意図せず外れてしまうことがあります。

アタッチメントを装着する数や大きさは、各症例や歯科医師の判断によって変わってきますので、外れてしまったことに気付いた時に、すぐに歯科医院に連絡し、外れてしまった旨を伝えましょう。

5.飲み物について

インビザラインを装着している間の飲み物についてもいくつか制限があります。

基本的にインビザラインを装着しながら水を飲む分にはまったく問題ありませんが、それ以外の飲み物、例えば果汁や糖が入っているものはNGです。

また、スポーツドリンクも酸が入っており、虫歯リスクを高めてしまうため飲むことはできません。

ストローを使ってうまく飲むという人もいますが、絶対に飲み物が口の中に回らないという事は難しいため、できれば控えてください。

6.まとめ

今回、この記事でご紹介したことをまとめると下記のようになります。

  • インビザラインを装着しながら食事をすべきではない
  • インビザラインを装着して食事をすると、マウスピースの破損や虫歯リスクの増加などのリスクが増えてしまう
  • 食事の際はインビザラインを外し、食後に歯を磨くという流れを徹底して行うのが理想的

食事は誰でも行う行為ですし、インビザライン治療は長期にわたって行われるので、その取り外し回数も必然的にかなり多いものになります。

ですが、せっかくの治療なので、できれば良いものにしたいですよね。

日々の食事の際にすこし気を使うだけで、いろんなリスクを回避することができるので、この記事を参考に、食事の際は少しだけ気を使って、治療を良いものにしましょう!