インビザラインとワイヤーの併用とは?概要や効果・注意点を解説!

インビザライン ワイヤー 併用




歯列矯正を考えていたけれど、目立つのやだし諦めた…という声を聞いたことがあります。

それを解消するかのように、目立たない矯正装置として「インビザライン」が世に出て、瞬く間にその利用者も増えていきました。

…ただ、インビザラインだけでは矯正ができない症状があるのです…。

でも大丈夫!そんな場合でもインビザラインとワイヤーを併用して治療を行うことで、矯正が可能になるケースも少なくありません!

そこで今回は、インビザラインとワイヤーの併用について、併用する理由や併用した場合の効果・注意点などをご紹介していきます!

歯列矯正を考えている人は、自身の歯列の状態によっては併用する場合もありますので、ぜひ読んでみてください!

1.インビザラインとワイヤーを併用する理由

インビザライン単体では矯正が難しいと言われる症例でも、ワイヤーを併用して治療を進めることで、インビザラインを使って治療を受ける事ができます。

そもそも、インビザラインとワイヤーでは対応できる症例が違い、ワイヤー矯正は全ての症例に対応することができます。

今現在、インビザライン単体でもほとんどの症例に対応することができます。

しかし、以下のようなケースだと、インビザライン単体では治療が難しいと判断される場合があります。

インビザラインのみでは対応が難しい症例

つまり、インビザライン単体では矯正が難しい場合に、ワイヤーを補助的に併用することで、インビザラインを使った矯正を行うことができます。

もちろん、ワイヤーのみで治療を行うこともできますが、インビザラインを使って治療を行いたいという事は、なるべく目立たずに矯正を行いたいという事だと思います。

その為、重度の症状であっても、2つの方法を併用する形であればなるべく人に気付かれずに矯正することができますよ!

インビザラインとワイヤーを併用して行うケース

~抜歯について~

インビザラインで矯正を行う上で、併用を行う可能性が高いものとして、抜歯の有無による併用があります。

インビザラインは抜歯で空いたスペースに向かって倒れやすいため、噛み合わせがずれてしまう場合などもありますが、その場合にワイヤーを併用し、治療を行っていきます。

軽度の症例であれば、抜歯を行わなくても歯列矯正を終えることは可能ですが、大きく歯を動かさなければいけない場合などの場合に抜歯が必要になってきます。

2.インビザラインとワイヤーを併用した場合の効果

インビザラインとワイヤーを併用した場合の効果としては、以下の2つがあります。

  • 治療期間の短縮
  • インビザラインのみでの非適応症例の解決
インビザラインとワイヤーを併用した場合の効果

治療の初期段階でワイヤーを行う事で歯列を動かし、インビザラインのみでは対応できない状態でも、インビザラインのみで矯正が行える状態まで改善してくれます。

つまり、併用することにより治療期間も短縮でき、インビザラインのみでは対応できない症例も、ワイヤーとの併用で治療を行うことができます。

ワイヤー矯正のお仕事

これはつまり、ワイヤー矯正の特徴である「歯を大きく早く動かす」インビザラインの特徴である「歯を正確にゆっくり動かす」を良い部分をとった治療法となります。

もちろん、併用するにあたりインビザラインとワイヤーの順番が逆の場合もあります。

インビザラインとワイヤーを併用するパターン

元々はパターン①の、最初にワイヤーをしてからインビザライン、最後に調整のためのワイヤーというやり方が多かったのですが、近年、「最後にワイヤーやるなら最初にインビザラインでいいのではないか」という事で、パターン②が生まれたようです。

3.インビザラインとワイヤーを併用した場合の注意点

インビザラインとワイヤーを併用した場合の注意点としては、下記のようなものがあります。

  • 金属アレルギーに注意する
  • 治療費用が高くなる
インビザラインとワイヤーを併用した場合の注意点

ワイヤー矯正では金属を使用するため、金属アレルギーを既に発症している人や、アレルギーが怖いという人には向かない治療法です。

金属アレルギーが心配だからとワイヤー矯正ではなくインビザラインにしたいという場合もあるとは思いますが、その場合は歯科医師に相談する形になります。

理由として、歯科医師の技術や知識には違いがあるため、歯科医院によって矯正可能な症例と矯正ができない症例に違いが出てきます。

その為、どうしてもワイヤーを使いたくない場合は医師に相談してみましょう。

それ以外にも、2つの歯列矯正を併用するため、治療費に関しては高くなってしまいます。

併用することでワイヤーとインビザラインの2つの治療法のメリットも受けられますが、デメリットも増えてしまうというのが嫌な部分ではあります…。

インビザラインは自由診療のため歯科医院によって値段が違いますので、併用した場合にかかる費用に関しては直接歯科医師に聞いてみてください。

4.インビザラインとワイヤーの特徴

インビザラインとワイヤーには下記のような特徴があります。

インビザライン ワイヤー矯正
治療期間 数ヶ月~2年 数ヶ月~2年
移動 ゆっくり、確実に動く 大きく、早く動く
見た目 薄い透明なマウスピースなので、
目立ちにくい
裏側矯正であれば目立ちにくいが、
マウスピースよりは目立つ
痛み 痛みを感じにくい(個人差あり) 痛みを感じる場合がある(個人差あり)
着脱 自由に着脱可能 取り外し不可能

インビザラインは目立たないため他人から気付かれにくいというのが一番大きなメリットになり、それが目当てでインビザラインを始めたという人も非常に多いです。

ただし、マウスピース(アライナー)1枚につき0.25mmしか歯は移動しないため、大きく歯を動かすとなると、かなりのマウスピースの枚数が必要になってきます。

歯の総移動距離

それに対しワイヤーは付け外しは自由にはできないため、1度付けたら24時間装着することになります。

その為、大きく早く歯が移動するため元々の歯並びが悪い人や、大きく歯を動かしたい人には向いています。

しかし、大きく早く歯が移動する分痛みを感じることもあるのが難点となっています。

インビザラインとワイヤーをもっと詳しく比較した記事が下記になりますので、こちらも参考にしてみてください!
「インビザラインとワイヤーを比較!初心者でもわかる2つの違い」

5.インビザラインとワイヤーを併用した場合の費用

インビザラインとワイヤーを併用したときにかかる費用は、インビザライン単体でかかる費用よりも高くなってしまう場合があります。

インビザラインは自由診療に分類されるため、歯科医院によって値段は変わってきますが、相場としてはおよそ80万円前後になります。

しかし、ワイヤーと併用して治療を行うことにより、およそ10万円~20万円ほどプラスされると考えてよいでしょう。

インビザラインとワイヤーを併用した場合の費用

もちろん、かかる費用に関しては、どのような症例なのか、どのくらいの期間がかかるのかなどにもよって変わってくるため、あくまで目安として考えてください。

ただし、かかる治療費に関してはそんなに安いものじゃないから、悩んでしまう人も多いけれど、医療費控除という制度を使えばちょっとお得に治療を受けられます

ちなみに、医療費控除については費用について紹介している記事に書いてあるから参考にしてください。
「インビザラインにかかる費用|矯正治療の相場を比較してみました!」

6.インビザラインとワイヤーを併用した症例

最後に、インビザラインとワイヤーを併用した症例をご紹介します。

自分の歯並びとご紹介した症例が似ている場合は、併用して治療を行う必要がある可能性があります。

症例①

インビザラインとワイヤーの併用症例1

出展元:新港イトセ歯科

こちらの症例は、奥歯のかみ合わせが不正咬合であり、上下全顎的に治療を行いました。

上の顎と下の顎の小臼歯を2本ずつ、合計で4本抜いています。

最初の3~4ヶ月でブラケットを装着し矯正を行ったため、叢生の治療がスムーズに終わり、その後インビザラインで調整を行ったようです。

症例②

インビザラインとワイヤーの併用症例2

出展元:かわい歯科クリニック

この症例は元々インビザラインのみで治療を進めたいという患者さんの希望がありましたが、シミュレーション作成時に、奥歯が空いてしまうエラーが発生しました。

そこで、ワイヤー矯正でリカバリーを行おうと、インビザラインとワイヤーの併用で治療を行いました。

アライナーの数は47枚、小臼歯を上下共に2本ずつの合計4本抜歯し、治療期間は1年7ヶ月でした。

7.まとめ

今回この記事の内容をまとめると下記のようになります。

  • インビザラインとワイヤーは併用するケースがある
  • インビザライン単体では不可能だったためワイヤーも併用するという場合が多い
  • デメリットとしては金属アレルギーと費用があるので、実施する場合は歯科医師とよく相談する

ワイヤーを使用する場合でも裏側矯正であれば、目立ちにくいので、矯正していることを他人に気付かれたくないという人でも気軽に治療を行うことができますよ!

また、歯並びがかなり悪い…というような人でもインビザラインとワイヤーを併用する方法で治療を使えば、インビザライン矯正を行うことができますので、まずは勇気をもって歯科医院にカウンセリングに行きましょう!