日本人が抱える歯列のトラブルの中でも受け口は約2.4%と一番少ない悩みではあります。
叢生で悩んでいる人は約44.3%ですので、割合で見るとかなり少ない症例です。
しかし、受け口は審美的な面だけではなく、健康を阻害する問題にもなってしまい、きちんと治すべき症例です。
そんな受け口ですが、目立たない歯列矯正と言われるインビザラインでも治療することができるのでしょうか?
そこで今回は、インビザラインで受け口は矯正できるのか?というところから、その症例や受け口の原因など、インビザラインと受け口についてをご紹介していきます。
受け口で悩んでいる人はぜひこの記事を参考に、治療を考えてみてください。
Contents
0.受け口になってしまう原因
そもそも受け口の原因には大きく分けて下記の2つに分けられます。
- 遺伝等の先天的な要因が原因の受け口
- 子供の頃の癖等の後天的な要因が原因の受け口
先天的な要因としては、両親や親族などに受け口の人がいると遺伝として受け口になってしまう事があります。
またそれ以外にも下のあごが元から大きかったり、逆に上のあごが小さかったりという要因も関わってきます。
一方、後天的な要因としては、子供の頃の指しゃぶりや口呼吸など、悪癖を続けてしまうことで受け口になってしまいます。
また、それ以外にも口呼吸を続けてしまうと、気道が狭くなり、気道を確保しようと下あごを突き出すようになり、これが癖づいて受け口になってしまうというケースもあります。
一部の方では先天的な原因と後天的な原因の両方が重なってしまったという人もいます。
1.インビザラインで受け口は治療できる?
結論から言うと、インビザラインで受け口の矯正治療は可能です。
そもそも受け口というのは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ており、上下の噛み合わせが逆になっている症例の事を指し、「反対咬合」とも呼ばれています。
受け口は見た目で悩んでいる人も少なくありませんが、実は健康面に対しても影響を及ぼす可能性があります。
その為、従来はワイヤー矯正等で治療する人が多かったのですが、インビザラインが登場し、目立ちにくいという点から、インビザラインで矯正治療を行っているという人も増えています。
それでは次に、実際にインビザラインで受け口を治療した症例をご紹介していきます。
2.インビザラインで受け口を治療した症例
これからご紹介する症例は下記のクリニックで治療が行われた症例になります。
- 本郷さくら矯正歯科
- スマイルイノベーション矯正歯科
- 青山アールエフ矯正歯科
それでは一つずつご紹介していきます。
症例①:本郷さくら矯正歯科
引用元:本郷さくら矯正歯科
こちらは37歳の男性で、噛み合わせが気になって治療に来たそうです。
写真を見る限り、上の前歯の生えている方向がズレており、その影響で受け口になっているように見えます。
この治療にはインビザラインだけでなく、矯正して1年後に矯正用ミニスクリューを埋入し、ゴムを使い治療を行っていきました。
医師からのコメントによると、マウスピースの使用時間を長めに使用していたので、治療計画通りに治療が進んでいったそうです。
矯正後の歯列はものすごく美しいですね!
症例②:スマイルイノベーション矯正歯科
引用元:スマイルイノベーション矯正歯科
この症例は画像が少ないですが、治療前には下の前歯が上の前歯よりも前に出ている、受け口なのが分かると思います。
治療期間は約1年2ヶ月ほどで終わり、治療後は綺麗な歯並びになっています。
治療前の状態は噛み合わせがあっておらず、顎にも負担のある状態だったそうで、そのまま放置してしまうと顎関節症になってしまう可能性もありそうですね。
症例③:青山アールエフ矯正歯科
引用元:青山アールエフ矯正歯科
この方は20代の女性で治療期間は約1年8ヶ月です。
治療前の歯並びの問題点としては、受け口だけではなく、咬合平面の傾斜(歯並びが曲がっている状態)でもありました。
また、軽度の骨格のズレもあったようです。
そこで、骨格のズレと受け口を考慮し、インビザラインと顎間ゴムを使って治療していきました。
顎間ゴムは噛み合わせを整えるためにも重要なもので、受け口の治療の場合は使われることが非常に多いです。
以上が、インビザラインで受け口を治療した症例です。
ただ、インビザラインでの受け口の治療は、全ての症例に対して可能というわけではなく、受け口の中でも一部治療ができない症例があります。
3.インビザラインで治療ができない受け口の症例
インビザラインで矯正治療ができない症例は下記のようなものになります。
- 顎の骨のズレが原因での受け口
- 歯の生え方に激しい凹凸がある
インビザラインは歯並びを矯正するものですので、顎の骨がズレている場合、骨格から治療しなければならない可能性があります。
つまりインビザラインで歯並びを整えたとしても、骨格は改善しないので、顎のしゃくれなどは治療することができません。
また、歯列が激しく乱れている場合、受け口ではなくてもインビザラインで治療できない可能性もあります。
もちろん、治療できるかどうかの最終決定は歯科医師の判断によるものですので、実際に診察してもらう必要がありますが、上記のような場合、インビザラインでは矯正できない可能性があるという事を覚えておいてください。
インビザラインにはその他にも矯正できない症例がありますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
「インビザラインは症例によっては矯正ができない!?その真実とは」
4.インビザラインで受け口を治療するためにかかる費用
受け口をインビザラインで治療する場合、以下のような相場となっています。
インビザラインはフル矯正なのか、部分矯正なのかなど、どのような矯正方法なのかでかかる費用は変わってきますが、叢生や出っ歯、受け口などの症例で費用が極端に変わることはありません。
ただし、インビザラインは保険適用外になりますので、歯科医院ごとに治療費が違ってきます。
その為、治療を受ける前に、いくつかの歯科医院を調べ、費用や医師の腕前などを見極める必要があります。
おすすめの歯科医院や、歯科医院を見極めるためのポイントをまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
「インビザラインのHPや口コミで絶対にチェックしておきたい4つの事」
「【決定版】東京でおすすめのインビザライン矯正歯科医院13選!」
また、インビザラインの費用についても別の記事で詳しくご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
「インビザラインにかかる費用|矯正治療の相場を比較してみました!」
5.まとめ
今回この記事でご紹介した事をまとめると下記のようになります。
- 受け口はインビザラインで治療できる
- 一部、受け口の状態によっては治療を行えないことがある
- 受け口は見た目だけでなく健康面も阻害するので治療したほうが良い
できれば、受け口は幼少期に治療した方が良く、子供のうちであれば完璧に治る可能性も高く、大人になってから治療するよりも綺麗に治ります。
しかし、受け口の治療は今からでも遅くはありませんので、この記事を参考に、ぜひ治療を検討してみてください。