インビザラインの良くあるトラブル15選と回避するための方法




インビザラインにもトラブルは発生します。

そしてトラブルが起きてしまう原因は矯正治療を受ける患者側や、治療を担当する歯科医院側など、様々なパターンが考えられます。

しかし、治療を行っていくうえでトラブルに見舞われる事はもちろん嫌ですが、トラブルを事前に知っていれば、回避もしくは対策を立てることができますよね?

そこで今回は、インビザラインで矯正を行う上で、よくあるトラブルを15個をご紹介し、またトラブルを回避するために事前に確認しておくべきポイントをご紹介します。

これからインビザラインを始める人だけではなく、インビザラインを最近始めたよという人も、この記事を参考に、トラブルに対しての心構えを学んでください!

1.治療前のトラブル

インビザラインを始める、治療前のトラブルとしては下記のようなものがあげられます。

  • 治療方針が合わない
  • 本当に矯正できるのが分からない

それでは一つずつご紹介していきます。

治療方針が合わない

インビザラインを始める前に、担当の歯科医師が治療計画を立案しますが、その方針が希望と合わず、トラブルになってしまう事があります。

具体的な例としては、抜歯を行うか行わないかというなどがあります。

インビザラインはその症例によっては抜歯を行う事もありますが、健康な歯を失うのが嫌だという人や、横顔が変わってしまいそうで抜歯をするのが嫌だという人なども多いです。

抜歯を進める医師と抜歯をしたくない患者

抜歯を行う事で、歯の移動のためのスペースが確保しやすくなるなどのメリットはあり、必要だと考える歯科医師も少なくありません。

その為、治療方針でトラブルになってしまうケースがあります。

本当に矯正できるのかが分からない

インターネット上の口コミなどである「失敗談」「良くない口コミ」などから、本当にインビザラインが成功するのかがイメージできずに、やっぱり治療を辞めますというようなトラブルがあります。

インビザラインはほとんどの症例に対応しているため、きちんとマウスピースを装着していれば失敗することは少ないです。

しかし、インターネット上にある失敗談や口コミは自己管理ができていなかったため、失敗してしまったというようなインビザライン自体が原因ではない場合があります。

もちろん、医師の力不足という部分もあるかもしれませんが、インターネット上の声に左右されて、怖くなってやめてしまうというトラブルがあります。

本当に矯正できるのか不安になって治療を辞めてしまう

治療前に起こるトラブルとしてはこのようなものがあります。

2.治療中のトラブル

治療中に起こるトラブルとしては、下記のようなものがあります。

  • 痛みを感じる
  • 違和感が強い
  • 会話がしづらくストレスが溜まった
  • アライナーを紛失した
  • アライナーが割れた・変形した
  • アライナーが入らなくなった
  • アタッチメントが取れた
  • 矯正の際に治療した歯が取れた
  • 食事がしにくい
  • 虫歯になってしまった
  • やむを得ない事情により通院できなくなった

それではこちらも一つずつご紹介していきます。

痛みを感じる

マウスピースを装着することで歯に痛みを感じることがありますが、その痛みに我慢できず、トラブルになってしまう事があります。

アライナーを装着した際の痛みは、徐々に慣れてくるのですが、装着してすぐは痛みを感じやすいです。

そもそも、アライナーは1枚で0.25mm歯が動くので、装着して間もないときはアライナーの目指す歯並びになっておらず、痛みを感じることが多いです。

アライナーが痛む理由

また、痛みは人ぞれぞれの主観的な感覚であるため、全く同じ痛みでも耐えられる人と耐えられない人がいます。

アライナーを装着し、痛みに耐えられないという人は、治療を辞めてしまうので、トラブルに発展してしまいます。

違和感が強い

インビザラインはマウスピースを着用し、歯を移動させていく矯正治療ですが、そのマウスピースを着用した際の違和感に耐えられず、治療を辞めるというトラブルがあります。

マウスピースを日ごろから使っているよという人はかなり少なく、それこそボクサーであれば話は別ですが、多くの人がインビザラインで初めてマウスピースを付けたと思います。

また、1日のうち20時間ほどマウスピースをつけっぱなしになりますので、初めてマウスピースを付けた人にとっては、その違和感を長く感じてしまう事になり、就寝時に知らない間に外してしまうという人もいるくらいです。

マウスピースの違和感が強い

マウスピースに慣れることができず、このような違和感をずっと引きずってしまうと、心が折れてしまい治療を続けることができないという人がいます。

会話がしづらくストレスが溜まった

マウスピースを装着していると発音に影響を及ぼすことがありますが、会話がしづらくストレスが溜まってしまうというトラブルもあります。

そもそもインビザラインの厚みは約0.5mmで、上下セットで装着していると、約1mm程かみ合わせが高くなります。

インビザラインの厚み

そのため、個人差はありますが舌が回らなかったり、話し方が少しおかしくなってしまうような方もおり、それがストレスになってしまうというトラブルもあります。

インビザラインと発音に関してはこちらでも詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
「インビザラインは発音に影響する?マウスピース矯正時の滑舌や喋り方」

アライナーを紛失した

外食の際にアライナーを外し、そのまま忘れてしまうというトラブルがあります。

基本的にアライナーを外した際はケースに入れるというような指導を歯科医師から受けることが多いのですが、インビザラインは治療期間が長く、ついケースを忘れてしまうという事も少なくありません。

その際にアライナーをティッシュに包んでいたという人も多いのですが、飲食店であれば、ティッシュに包まれているアライナーがそのまま回収され捨てられるという事もあるそうです。

アライナーを紛失

アライナーを紛失してしまい、他のマウスピースを装着しないままにしておくと、歯が予定外の方向に動いてしまい、トラブルになってしまいます。

アライナーが割れた・変形した

アライナーの手入れの際にアライナー自体が割れたり、変形したりすることで、治療に支障をきたしてしまうというトラブルがあります。

アライナーの形が変わってしまうと、歯の移動に問題が出てしまい、後続のアライナーに関してもうまくハマらなくなってしまい、最悪の場合、治療計画の立て直しや追加アライナーの発注をしなければならないというケースもあります。

アライナーに問題が出ると

また、普段のアライナー着脱の際に割れてしまうというケースもありますので、普段から注意が必要になります。

アライナーが入らなくなった

新しいアライナーと交換するときに、歯にうまくフィットせずトラブルになってしまう事があります。

アライナーがうまくフィットしない原因として大きいのは、インビザラインをしっかりと装着していなかったという事があります。

そもそもインビザラインは自己管理が非常に重要であり、装着時間や外している時間をきっちり管理しないと予定通りに歯が動かず、アライナーが入らないことがあります。

アライナーが入らない

アライナーが入らなくなってしまうと、新たに歯型をスキャンし、追加アライナーを発注しなければならず、治療期間の延長や費用などがかさんでしまうなどのトラブルになってしまいます。

アタッチメントが取れてしまった

インビザラインで使用するアタッチメントが意図せず取れてしまい、歯の移動がうまくできないというトラブルがあります。

そもそもアタッチメントとは、歯に直接接着し、間接的に歯の動きを補助してくれる、治療になくてはならないものです。

アタッチメントの個数は平均して7~15個くらい装着することになるのですが、食事の際に意図せずに取れてしまったという事があります。

もちろん取れた数が1~2個くらいであれば問題はありませんが、たくさん取れてしまった場合は治療の進行具合に支障をきたしてしまう可能性があり、最悪の場合、治療期間が延びてしまうというトラブルにもなってしまいます。

アタッチメントに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
「インビザラインのアタッチメント|基礎知識や効果、痛みについて」

矯正の際に治療した歯が取れた

インビザラインを始める際に歯の治療を行い、それによって装着している白い被せ物だったり、仮歯の部分に対してアライナーで圧力がかかり、治療した歯が取れてしまったり、割れてしまうというトラブルがあります。

こうなってしまった場合、取れたり割れたりした歯のまま治療を進めてしまうと、歯が予定通りに動かない可能性もありますので、一般歯科で再度治療を行う必要があります。

食事がしにくい

アライナーを使用し、きちんと装着時間を守った場合、痛みを感じることがありますが、アライナーを取っても歯に痛みを感じることがあり、その影響で食事がしにくいというトラブルになることもあります。

これに関しては、正しく治療を行っていても起こる可能性があるトラブルですので、回避するのも難しいところではあります。

虫歯になってしまった

マウスピースと歯の間に食べかすが残ったまま装着すると、虫歯になってしまう可能性があります。

虫歯の大きさや進行具合によってはそのままインビザラインを進めることができるという事もあります。

虫歯の大小による治療継続の結果

インビザラインはワイヤーと違い、取り外しが簡単ですので、仮に虫歯治療が必要な場合でも取り外して治療を行うだけですので、虫歯治療をスムーズに行うことができます。

やむを得ない事情によって通院できなくなった

インビザライン治療中は定期的に歯科医院に通う必要があるところもありますが、出産や留学、出張や引っ越しなどで歯科医院に通えなくなる場合、必要な処置を施さないとトラブルになる場合があります。

もしも、出産や留学、出張など一時的に通えなくなるという場合であれば、治療を前倒しし、最大4ヶ月程度であれば、通院しなくても問題ありません。

しかし、引っ越しなどで通院ができなくなる場合は手続きが必要になります。

引っ越したときの治療について

大雑把に言うとこのような流れで治療を継続することができますが、この手続きの際に治療費や治療についてトラブルになることも少なくありません。

以上が治療中のトラブルになります。

3.治療後のトラブル

治療後のトラブルには下記のようなものがあります。

  • キャンセル後の費用について

それではこちらも詳しくご紹介します。

キャンセル後の費用について

治療を途中で辞める場合、払った費用についてトラブルになることがあります。

どの段階で治療を辞めると宣言したのかによっても変わりますが、例えば診断が終わりパソコンでシミュレーションを作り、それを基にアライナーを発注してしまった場合、25%程度の治療費もしくはキャンセル料が発生します。

キャンセル後の費用について

インビザラインにかかる費用は高額で、それゆえに25%といっても高い金額になってしまい、その部分でトラブルになってしまう事が多いです。

インビザラインにかかる費用に関してはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
「インビザラインにかかる費用|矯正治療の相場を比較してみました!」

治療後に関してはやはりお金の部分で患者さんと歯科医院の間でトラブルになってしまう事は多いというのはイメージできますよね…。

それでは次に、トラブルを回避するためのポイントを3つご紹介します。

4.トラブルを回避するための3つのポイント

インビザラインでのトラブルを回避するためには下記の3つを意識しましょう。

  • 歯科医院のHPを確認する
  • 複数の歯科医師に診てもらう
  • しっかりと時間を守ってインビザラインを装着する

歯科医院のHPを確認する

診察に行く前に、まずは事前に歯科医院のHPを確認しておきましょう。

確認するポイントとしては下記のような点が挙げられます。

  • インビザラインの症例数
  • 料金表
  • 歯科医院の持つ資格
  • 歯科医院の場所

症例数が多ければ多いほど、自分と似たような治療のケースがあるかもしれませんし、経験が豊富という事は悪い事ではありませんよね。

また、料金やもちろんの事、歯科医師の持つ資格がどんなものなのかをチェックするのも有効です。

そして、どんなに良い歯科医院でも通いにくければ、継続して通院するのも大変だと思いますので、しっかりと自分が通える場所にあるのかを確認しましょう。

複数の歯科医師に診てもらう

インビザラインを始める前に、まずは歯科医師に診断してもらいますが、その際複数の歯科医師に診てもらいましょう。

担当する歯科医師の実力や経験によって、治療計画が変わってきますし、希望通りの歯列になるかどうかも歯科医師に腕にかかっているといっても過言ではありません。

その為、セカンドオピニオンである旨を伝え、いろいろな歯科医師に診てもらい、自分が信頼できる歯科医院、歯科医師を見つけることで、トラブル回避にも繋がります。

しっかりと時間を守ってインビザラインを装着する

インビザラインの装着時間をしっかりと守り、治療をきちんと進めることで、トラブルを回避します。

もちろん、アライナーが割れたり、紛失してしまったりというトラブルを防ぐことはできませんが、正しく装着し、治療を順調に進めることで、追加アライナーの発注(リファインメント)や治療の延長を防ぐことができます。

ただでさえ高いお金とたくさんの時間をかけてインビザラインを行うので、治療を失敗に終わらせないためにも、きちんと装着時間を守りましょう。

5.まとめ

今回この記事でご紹介した事をまとめると下記のようになります。

  • トラブルは「治療前」「治療中」「治療後」の3種類に分けられる
  • トラブルの中には事前に防げないものもある
  • トラブル回避、対応のために信頼できる歯科医院を選び、きっちりとインビザラインを装着する

インビザラインは素晴らしい矯正装置ですし、治療はきっと成功しますが、その成功をより確実なものにするためにも、トラブルに関しては事前に知っておくべきです。