インビザラインの大きなメリットの一つとして、マウスピース型の矯正装置のため、自由に着脱ができる、という点があげられます。
好きなタイミングで取り外しを行えるため、食事を自由に楽しめたり、歯磨きの際に矯正器具に当たって磨きづらい!というような、ワイヤー矯正によくあるストレスから解放されます。
しかし、まだインビザラインに慣れないうちは意外と取り外しが難しく、取り外すだけでかなり時間がかかってしまうというケースも少なくありません。
そこで今回は、インビザラインの取り外し方や、取り外す際のコツ、そして取り外しに使える便利グッズなどをご紹介していきます。
つい最近インビザラインを始めたよという方や、これから始めようかと思っているという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
Contents
1.インビザラインは取り外せる
インビザラインは自分のタイミングで自由に取り外す事ができます。
矯正装置を取り外す事ができるメリットとデメリットに関しては以下のようになります。
ワイヤー矯正の場合、常に装置を装着しておく必要がある為、食事の際には食べ物が装置に絡みついたり、歯磨きの際には装置が邪魔でうまく磨けなかったりと、様々な弊害があります。
その点、インビザラインは装置をいつでも簡単に取り外すことができるので、食事や歯磨きの際にストレスにならず、また写真に写る時だけ取り外しを行うことで、目立つ心配もありません。
しかしその反面、インビザラインを装着したままの飲食は原則として禁止されているため、例えば、クッキー1枚だけ食べる、という場合にもインビザラインを取り外す必要があります。
また、飲食を行った後は必ず歯磨きを行い、歯垢や食べかすを除去してからインビザラインを装着しないと、虫歯にリスクが高まり、最悪の場合、虫歯の治療のためにインビザラインを止めなければならない、ということにもなりかねません。
その為、飲食を行う際はマウスピースを取り外し、必ずケースに入れて保管し、飲食が終わった後は歯を丁寧に磨き、再装着を行いましょう。
ケースに関しては赤色のケースと青色のケースがあります。
青色のケースが今装着しているもの、赤色のケースが一つ前のマウスピース保管しておく用のものですので、色によって使い分けましょう。
出展元:ミカコライフ
インビザラインで矯正を行っている人の中には、外食などに行き、マウスピースを外してそのまま忘れてしまうケースがあります。
その際に、応急処置として、一つ前のマウスピースを使用することがあります。
紛失した場合は、基本的にすぐに医師に連絡し、医師の指示通りの対処するべきですが、もしも休診日などで連絡が取れない場合は応急処置として一つ前のマウスピースを使用する場合がありますので、きちんと赤いケースに保管しておきましょう。
紛失した場合や、飲食、洗浄方法など、マウスピースについて詳しく記載した記事がありますので、参考にしてみてください。
「インビザラインで使う「アライナー」についてをわかりやすくご紹介」
2.インビザラインの取り外し方
インビザラインを取り外す場合、上あごか下あごかで若干外し方が変わってきます。
まず、上あごの取り外し方からご紹介していきます。
上あごのインビザラインの取り外し方
上あごのインビザラインの取り外し方は下記のようになります。
- 片側の奥歯の内側に、親指または人差し指の爪を引っかけ、下に押して外す
- 反対側の奥歯の内側も、親指または人差し指の爪で引っ掛けて、下に押して外す
- 前歯の中央部分を親指と人差し指でつかんで下に引くように外す
まずは片方の奥歯を内側から外していきます。
引用元:水道橋アールエフ矯正歯科
そして次に、反対側の奥歯も同じように外していきます。
引用元:水道橋アールエフ矯正歯科
そして最後は浮いたインビザラインを引き抜くような感覚で取り外していきます。
下あごのインビザラインの取り外し方
下あごのインビザラインの取り外し方は上あごとは少しだけ違い、下記のようになります。
- 片側の奥歯の内側に、親指または人差し指の爪を引っかけ、上に押して外す
- 反対側の奥歯の内側も、親指または人差し指の爪で引っ掛けて、上に押して外す
- 前歯の中央部分を親指と人差し指でつかんで上に引くように外す
上あごと同じように、片方の奥歯の内側から、上に押し上げて外します。
引用元:水道橋アールエフ矯正歯科
そして、反対側の奥歯も同じように外していきます。
引用元:水道橋アールエフ矯正歯科
最後に引き抜いて終わりとなります。
歯科医院によっては上あごは内側から、下あごは外側から外すと指導される場合もありますので、歯科医師の判断に従って外していきましょう。
上あごと下あごに共通する事
インビザラインを外す際は、必ず奥歯の内側に爪を引っかけて外していきましょう。
インビザラインでは矯正をサポートするための装置としてアタッチメントというものがあります。
引用元:イースマイル国際矯正歯科
インビザラインを外す時に、前歯や奥歯の外側から外そうとすると、外そうとする力でアタッチメントが取れてしまう可能性があります。
アタッチメントは「インビザライン治療のキモ」と呼ばれることもあるくらい重要な役割を担っており、人によって装着する個数は違いますが、意図せず外れてしまった場合、その個数が増えれば増えるほど、治療計画の変更が必要になる可能性も高くなります。
その為、必ず奥歯の内側から外すのを徹底し、アタッチメントが外れないように取り外しましょう。
アタッチメントについてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、興味があれば参考にしてみてください。
「インビザラインのアタッチメント|基礎知識や効果、痛みについて」
またそれ以外にも、前歯からインビザラインを外すと、マウスピース自体が捲れてしまう癖がついてしまう可能性があり、フィット感に影響が出てきます。
インビザラインがうまくフィットしないと、こちらも治療計画に影響を及ぼし、治療の延長の可能性も考えられますので、必ず奥歯から取り外すようにしましょう。
3.インビザラインの取り外しを簡単に行うコツ
インビザラインを外す時のコツとしては、爪を引っかけて真上、もしくは真下に押すのではなく、「外側に押すようにしながら、上もしくは下に押す」と外しやすくなります。
外側に押すことで、インビザラインと歯の間にわずかな空間ができ、その結果、外しやすくなります。
また、個人差はありますが、新しいマウスピースに変更してから大体5日前後で取り外しがしやすくなります。
これは歯が移動している証拠で、新しいマウスピースに交換したばかりの時は、まだマウスピースが目指す歯の形になっておらず、取り外しにも苦戦することが多いです。
しかし、日を重ねていくうちに歯がだんだんとマウスピースの目指す歯型になっていき、その結果、取り外しがしやすくなることがあります。
そのため、取り外しがしやすくなるまでは奥歯の内側から外側に押すようにしながら取り外しを行っていき、歯がマウスピースに慣れてきたら、2章でご紹介した方法で取り外しを行うと良いでしょう。
4.インビザライン取り外しの際に役に立つ道具
インビザラインを取り外す際に便利な道具として「イージーリフト」というものがあります。
出展元:神保町矯正歯科クリニック
イージーリフトの先端をインビザラインのふちに引っかけて取り外すために使用するもので、先端は意外とやわらかくなっているので、歯や歯茎を傷めつけることはありません。
インビザラインを爪で引っ掛けて外す際に、爪が折れてしまったというケースも実は少なくありませんが、イージーリフトを使うことで、爪を傷つけず、楽にインビザラインを取り外す事ができます。
イージーリフトに関しては、メルカリや楽天などでも販売されていることがありますが、無用なトラブルを避けるためには、歯科医院に直接問い合わせた方が良いでしょう。
5.まとめ
今回この記事でご紹介したことをまとめると下記のようになります。
- インビザラインは奥歯の内側に爪を引っかけて取り外す
- 取り外すコツは「外側に押すようにしながら、上もしくは下に押す」
- 自力で取り外すのが難しい場合はイージーリフトを使用する
インビザラインは毎日取り外しを行うため、慣れれば難しくはないのですが、慣れるまでは取り外しが難しいと感じる方も少なくありません。
ですので、今回この記事でご紹介している内容を活かして、インビザラインがより快適な矯正になればうれしいです。