何事においても信頼というものはとても大切ですよね。
信じられる相手にだけ悩みを打ちあけることができたり、信用できる人に何かを頼んだりすることは日常において珍しくありません。
治療を受けるなら尚更、信じられる相手にお願いしたいと思います。
例えば、HPもない、看板もない、たまたま街で出会ったような人に治療をお願いするなんてありえないと思います。
つまり、医師側も信頼してもらえるようにと資格を取る人は少なくありません。
しかし、「専門医」と名乗っている人は本当に信用できるのでしょうか?
そこで今回は、インビザラインの専門医について、その概要や資格の発行元についてなど、「専門医」が本当に信頼できるのかという部分に迫っていきたいと思います。
「矯正専門歯科医院」という言葉は歯科医院であれば誰でも掲げることが許されているので、本当にその歯科医院が信頼できるのかどうか、この記事を読んで確かめてみて下さい!
Contents
1.インビザラインの専門医とは?
インビザドクターにおいて、「専門医」という資格は存在します。
それは、「日本矯正歯科学会」という歯科矯正学・矯正歯科臨床の進歩や発展を目的として発足した機関が定めているもので、日本矯正歯科学会には現在、日本各地の矯正歯科医を中心に約7,000名の会員がいます。
現在、日本の歯科医師法によると、歯科医師の免許を持っている医師は歯科に関するあらゆる分野を自由に治療することが認められており、その為、専門的な知識や技術、経験が無くても、矯正治療を行っていると表現することが許されています。
その為、知識のない歯科医が矯正専門歯科という表現を使ってしまい、患者さんとの間にトラブルが発生してしまうという事がありました。
その為、このようなトラブルを回避するために、矯正専門の学術機関が複数存在しますが、その中でも日本矯正歯科学科は最も難易度が高いと言われているため、日本矯正歯科学会の専門医、もしくは認定医であれば信頼できる医師であると言えます。
ただし、2017年12月の時点で、日本で矯正歯科治療を行う歯科医師総数、約35,000人に対し、日本矯正歯科学会の認定医が全体の9%である3,116人、専門医に至っては全体の約0.9%である306人とかなり少ない数となっています。
ですので、それほど難易度が高い資格とも言えます。
それでは次に、日本矯正歯科学会の資格についてをご紹介します。
2.日本矯正歯科学会の資格~専門医~
日本矯正歯科学会の専門医になるためには下記のような条件があります。
- 歯科医師免許を有する者。
- 学会認定医資格を有する者。
- 7年以上継続して学会会員である者。
- 学会の認めた刊行物あるいは学会の認めた学術集会において、矯正歯科臨床に関する報告を発表した者。
- 学会倫理規定を遵守する者。
専門医の資格申請に関する規約はこちら
公益社団法人 日本矯正歯科学会 専門医制度規則
大前提として、歯科医師免許を持っているのはもちろんの事、日本矯正歯科学会の「認定医」としての資格を持っていなければ、専門医になることはできません。
また、臨床試験として症例を提示し審査に合格したのち、学術集会においても症例報告を行う必要があります。
審査に関しては専門医委員会と呼ばれる特別な組織が、治療結果も含め厳しく審査をしますので、専門医になるためには、知識だけではなく高い技術と豊富な経験が必要になってきます。
その為、全体で約0.9%しか専門医の資格を取得した医師はおらず、資格取得は非常に難しい代わりに、日本矯正歯科学会の専門医は国際的にも高い評価を得ています。
また、専門医になるには10種類の課題症例を提示する必要があり、その半分はかなりの難症例のようで、合格するのはかなり難しく、年間合格者数は5~6人とほとんどいません。
つまり、専門医になるためには症例数だけでなく、どれだけ治療を成功させたかも審査基準になっている、という事は、それだけ腕前は確かなので、かなり安心して治療を任せることができますね。
3.日本矯正歯科学会の資格~認定医~
日本矯正歯科学会の認定医になるには、下記のような条件があります。
- 歯科医師免許を有する者。
- 歯科医師免許取得後、引き続き5年以上の学会会員である者。
- 学会指定研修機関における矯正歯科基本研修修了の後、その期間を含めて5年以上に渡り、矯正歯科臨床研修を修了した者。または同等の学識、技術、経験を有すると判断される者。
- 学会の認めた刊行物に矯正歯科臨床に関連する論文を発表した者。
- 学会倫理規定を遵守する者。
認定医の資格申請に関する規約はこちら
公益社団法人 日本矯正歯科学会 認定医制度規則
認定医は基本的な知識と技術を持ち合わせていると言われており、認定医になるまでは5年以上の矯正治療経験が必要になってきます。
5年以上の矯正治療経験とは、約50症例以上の症例実績が必要となると言われているため、専門医に比べると少ないですが、それなりの技術と経験を持ち合わせていると言えるでしょう。
専門医に比べると認定医は一見簡単に取得できそうな気もしますが、矯正歯科医師全体の約9%しか持ち合わせていないと考えると、認定医になるだけでも非常に難しいです。
そのため、歯科医院のHPに日本矯正歯科学会の「専門医」もしくは「認定医」と記載があれば、かなり技術の高い医師がいるということなので、歯科医院選びの際の一つの基準になると思います。
もちろん、ここまでご紹介した日本矯正歯科学会の資格以外にも、様々な資格があります。
4.インビザラインのその他の資格
インビザドクターにはその他にもこんな資格があります。
- インビザラインプロバイダー
- 日本成人矯正歯科学会
- 日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)
それぞれご紹介していきます。
インビザラインプロバイダー
これはインビザラインを作っている会社であるアメリカの「アライン・テクノロジー社」が行っているもので、インビザラインを行っているすべての医師に当てはまる世界共通のランクです。
年間の症例数に応じてそれぞれランクが決まっているため、どのランクを受賞したかによって、年間でどのくらい矯正治療を行ってきたのかがわかります。
一番ランクの高い「ブラックダイヤモンドプロバイダー」になると、受賞者もかなり少なく、全世界でも上位1%程しかいないそうです。
ただし、年間401症例となると、1日1件以上の矯正治療が必要になりますので、一個人のドクターとしての受賞というわけではなく、グループ医院に所属している複数のドクターの功績を、代表ドクターが受賞するという形が多いです。
もちろん人数にもよりますが、それでもブラックダイヤモンドプロバイダーを受賞するという事は、数多くの症例数があることは間違いないので、ある程度の指標にはなりますね。
日本成人矯正歯科学会
日本成人矯正歯科学会は、成人を対象とした矯正歯科医療の進歩・発展を目指し、1993年に発足した学術機関で、日本成人矯正歯科学会にも「認定医」「専門医」制度があります。
さらに、「指導医」という資格もあり、指導医になるためには専門医の資格を取得してから3年以上経過し、なおかつ委員会の審査などを通過した医師のみが指導医になることができます。
認定医と専門医に関しては、日本矯正歯科学会の基準と多少違いはありますが、やはり合格するのは難しいと言えます。
日本成人矯正歯科学会の公式HPはこちら
日本成人矯正歯科学会
日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)
日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)とは、日本歯科矯正専門医学会(JSO)が設立した学術機関です。
この学術機関には認定医という資格は存在しないため、専門医と指導医の2種類の資格のみになります。
日本歯科矯正専門医認定機構で専門医になる場合は、100症例以上の治療経験が無いと取得できず、症例数だけで言えば一番大きなハードルになるでしょう。
また、矯正歯科医師として5年以上であることが条件にありますので、こちらも簡単に合格することはできません。
そして特徴的なのは、審査をするにあたり、患者さんの視点を取り入れるために、一般歯科医師や市民代表の人は第三者委員として入れていますので、専門的な知識だけではなく、治療結果が満足いくものだったのかなども加味される審査となっています。
JBOに関してはこちらのサイトをご覧ください。
日本歯科矯正専門医学会
5.まとめ
今回この記事でご紹介した事をまとめると下記のようになります。
- 公式的な学術機関で取得した「専門医」という称号は信頼できる
- 専門医になるには症例数や技術、治療結果などの厳しい審査を通過している
- インビザラインを受ける際は、歯科医院の公式HPでどのような資格を持っているのか確認する
歯科医院選びに関しては、他の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「インビザラインのHPや口コミで絶対にチェックしておきたい4つの事」